定年後に退屈やつまらなさを感じる人がいますが、それにはいくつかの理由があります。第1の理由は、社会的な役割の喪失です。リタイアすると、これまで培ってきたキャリアや、人間関係が失われます。これまで自分の一部であったことがらが断ち切られるため、アイデンティティの喪失や空虚感を抱きやすいのです。
第2の理由は、孤立感です。仕事上の人間関係が希薄になり、孤立した状態になります。このため、退屈や孤独感が強くなることがあります。第3の理由は、目標がなくなることです。これまでは売り上げアップやプロジェクトの成功など、目標の実現に向けて頑張ってきました。しかし仕事から離れると、新しい目標をみつけるのが難しくなります。目標を達成しようとする情熱が失われ、退屈を感じやいのです。第4の理由は、自己評価の低下です。仕事は社会貢献につながりますし、家族を経済的に支えるなど、周囲の役に立つ行為です。このため仕事を頑張ることで、自己評価や自己肯定感を高めることができます。しかし定年して仕事がなくなると、このような評価がゼロになるため、退屈やつまらなさを感じてしまうのです。
このほか、高齢に伴う体力の衰えや疾病リスク、収入減少など、さまざまな不安を感じることも気分を落ち込ませる原因になります。定年後もイキイキと過ごすためには、人生における新しい価値や目標を見つける必要があるでしょう。趣味やボランティア活動、学び、人との付き合いなど、自分からアクションを起こして前向きに活動をすることが、充実した人生を送る上で大切です。